今回は、「ビジネスパーソンが取りたい資格ナンバー1」の中小企業診断士についてお伝えします。
中小企業診断士とは?
中小企業診断士は、経営コンサルタントとして、国が認める唯一の国家資格です。
中小企業診断士は、どんな仕事をするの?
中小企業診断士の行う主な業務は、コンサルティング業務です。
コンサルタントとして、中小企業が有する課題や問題に対して、解決策・改善策を提案する仕事です。
中小企業診断士の2次試験に照らし合わせて言えば、
中小企業の組織・人事面に関する提案
中小企業のマーケティングに関する提案
中小企業の生産面に関する提案
中小企業の財務面に関する提案
実際に企業が抱える問題点や課題はこの4つだけに分割する事が困難な事も多々有りますが、
これらの視点を持って、課題を解決する事が基本になってきます。
中小企業診断士の年収・収入は?
業務全体の日数が100日以上の方のコンサルタント業務の年収は以下のとおりです。
100万円以内 | 113 | 113 | 9.36 | 9.36 |
---|---|---|---|---|
101~200万円以内 | 91 | 204 | 7.54 | 16.90 |
201~300万円以内 | 98 | 302 | 8.12 | 25.02 |
301~400万円以内 | 90 | 392 | 7.46 | 32.48 |
401~500万円以内 | 100 | 492 | 8.29 | 40.76 |
501~800万円以内 | 236 | 728 | 19.55 | 60.31 |
801~1,000万円以内 | 161 | 889 | 13.34 | 73.65 |
1,001~1,500万円以内 | 177 | 1,066 | 14.66 | 88.32 |
1,501~2,000万円以内 | 73 | 1,139 | 6.05 | 94.37 |
2,001~2,500万円以内 | 25 | 1,164 | 2.07 | 96.44 |
2,501~3,000万円以内 | 18 | 1,182 | 1.49 | 97.93 |
3,001万円以上 | 25 | 1,207 | 2.07 | 100.00 |
![]() | ||||
有効回答数 | 1,207 | 1,207 | 100.00 | 100.00 |
最も構成割合の多いランクは、「501~800万円以内」(19.6%)です。
なお、「3,001万円以上」をのぞいた平均は739.3万円になります。
中小企業診断協会HPより抜粋
1,000万円を超えるコンサルタントは全体の26.34%。
また、3,000万円を超える収入を得ているコンサルタントも2%程度と少ないですが、存在します。
夢のある職業ですよね。
中小企業診断士試験の難易度は?
中小企業診断士試験の難易度について説明する前に、まずは中小企業診断士試験の仕組みについて説明します。
中小企業診断士試験は、3つの試験に細分化する事ができます。
まず、1つ目が、1次試験。
1次試験は7科目受験し、7科目全てに合格すると、2次試験を受験する事ができます。
尚、1次試験のみ、科目合格が存在します。
そして、2つ目が、2次筆記試験。
こちらは、4つの事例に基づいて試験が行われます。
尚、2次試験に科目合格の制度はございません。
最後に、口述試験となります。
2次筆記試験に合格すると、2次口述試験の受験資格を得られます。
口述試験に合格すると、診断士試験の合格証書が配布されます。
では、それぞれの試験の合格率を確認しましょう。
1次試験 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
平成27年 | 13,186 | 3,426 | 26.0% |
平成28年 | 13,605 | 2,404 | 17.7% |
平成29年 | 14,343 | 3,106 | 21.7% |
平成30年 | 13,773 | 3,236 | 23.5% |
令和1年 | 14,691 | 4,444 | 30.2% |
2次(筆記試験) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
平成27年 | 4,941 | 944 | 19.1% |
平成28年 | 4,394 | 842 | 19.2% |
平成29年 | 4,279 | 830 | 19.4% |
平成30年 | 4,812 | 906 | 18.8% |
令和1年 | 5,954 | 1,091 | 18.3% |
2次(口述試験) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
平成27年 | 944 | 944 | 100% |
平成28年 | 842 | 842 | 100% |
平成29年 | 830 | 828 | 99.8% |
平成30年 | 906 | 905 | 99.9% |
令和1年 | 1091 | 1088 | 99.7% |
1次試験に合格し、2次筆記試験に合格、さらに2次口述試験に合格して合格証書が届きます。
1次試験の受験者数のうち、合格証書を獲得できる割合は、令和元年だと、
7.4%です。
他の国家試験と比較してどうなの?
では、他の士業や、資格試験と比較してみたいと思います。
各試験の、直近試験の合格率、一般的に言われている学習時間を比較してみました。
資格 | 合格率 | 学習時間 |
販売士 3級 | 54.7% | 30時間以上 |
簿記 3級 | 43.1% | 50時間以上 |
販売士2級 | 60.6% | 70時間以上 |
FP3級 | 75.71% | 80時間以上 |
簿記 2級 | 27.1% | 100時間以上 |
販売士1級 | 24.3% | 100時間以上 |
FP 2級 | 41.90% | 200時間以上 |
ネットワークスペシャリスト | 14.4% | 200時間以上 |
簿記 1級 | 9.8% | 300時間以上 |
宅建士 | 17.0% | 300時間以上 |
証券アナリスト | 1次 52.6% 2次 45.0% | 500時間以上 |
マンション管理士 | 8.2% | 600時間以上 |
行政書士 | 11.5% | 800時間以上 |
社労士 | 6.6% | 1,000時間以上 |
土地家屋調査士 | 9.7% | 1000時間以上 |
中小企業診断士 | 5.5% | 1500時間以上 |
不動産鑑定士 | 32.4% | 2000時間以上 |
司法書士 | 4.4% | 3000時間以上 |
税理士 | 18.1% | 3000時間以上 |
公認会計士 | 10.7% | 3000時間以上 |
弁理士 | 18.3% | 3000時間以上 |
司法試験 | 34.0% | 5000時間以上 |
「宅建士ってどうなの?」「社労士ってどうなの?」
とか、「診断士と比較してどっちがすごいの?」
なんて疑問が沸くかもしれません。
銀行等、金融業では、これらの資格の取得を推奨している職場も珍しく無いので、比較してみたいと思います。
中小企業診断士と簿記試験を比較するとどうなの?難易度は?
まず、簿記試験についてですが、簿記試験はいくつかの団体が行っています。
それぞれの試験によって難易度が異なりますが、当サイトでは、一番メジャーである、日商簿記検定についてお伝えします。
簿記試験は商工会議所法に基づいて行われる簿記に関する技能を検定する試験です。
尚、簿記試験は、公的資格であり、国家資格ではありません。
資格 | 合格率 | 学習時間 |
簿記 3級 | 43.1% | 50時間以上 |
簿記 2級 | 27.1% | 100時間以上 |
簿記 1級 | 9.8% | 300時間以上 |
中小企業診断士 | 5.5% | 1500時間以上 |
合格率や学習時間を比較すると、圧倒的に中小企業診断士の方が難易度が高いと言えそうです。
中小企業診断士試験科目の中に財務・会計の科目があり、簿記の知識を踏まえた問題が出題される事があるため、
中小企業診断士試験の前段階として、簿記を受験する受験生も多くいるようです。
中小企業診断士と宅建士を比較するとどうなの?難易度は?
まず、宅建についてですが、宅建士は宅地建物取引業法に定められた国家資格です。
不動産取引に伴う重要事項を行う不動産の専門家です。
また、中小企業診断士は、経営に関するスペシャリストであり、こちらも国家資格です。
どちらも簡単に取得する事はできません。
ただし、合格率や、一般的に言われている学習時間を比較すると、
資格 | 合格率 | 学習時間 |
宅建士 | 17.0% | 300時間以上 |
中小企業診断士 | 5.5% | 1500時間以上 |
合格率と学習時間だけを比較してみると、中小企業診断士の方が難易度が高いといえます。
また、宅建士は1回の試験だけで合否が決定されるのに対し、
診断士は、1次試験、2次筆記試験、2次口述試験と、3つの関門を突破しなければならないという意味でも、難易度が高いといえそうです。
中小企業診断士と行政書士を比較するとどうなの?難易度は?
行政書士は、官公庁への提出書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成や提出ができる国家資格です。
資格 | 合格率 | 学習時間 |
行政書士 | 11.5% | 800時間以上 |
中小企業診断士 | 5.5% | 1500時間以上 |
合格率と学習時間だけを比較してみると、中小企業診断士の方が難易度が高いといえます。
また、行政書士も宅建士と同様1回の試験だけで合否が決定されるのに対し、
診断士は、1次試験、2次筆記試験、2次口述試験と、3つの関門を突破しなければならないという意味でも、難易度が高いといえそうです。
中小企業診断士と社会保険労務士を比較するとどうなの?難易度は?
社会保険労務士は、主に、社労士と略されます。
社労士は、文字通り、社会保険に関するスペシャリストです。
中小企業診断士と同様、社労士も人気の国家資格です。
資格 | 合格率 | 勉強時間 |
社会保険労務士 | 6.6% | 1000時間以上 |
中小企業診断士 | 5.5% | 1500時間以上 |
合格率と学習時間だけを比較してみると、中小企業診断士の方が難易度が高いといえます。
また、宅建士と同様、社労士は1回の試験だけで合否が決定されるのに対し、
診断士は、1次試験、2次筆記試験、2次口述試験と、3つの関門を突破しなければならないという意味でも、難易度が高いといえそうです。
中小企業診断士と税理士を比較するとどうなの?難易度は?
税理士は、税理士法により定められた国家資格です。
税理士試験に合格するには、
①必修科目2科目(簿記論、財務諸表論)の取得。
②選択必修のうち最低1科目(法人税または所得税)の取得。
③選択科目(相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、事業税、住民税、固定資産税)のから3科目(選択必修を2科目取得したら2科目。)の取得。
以上、①~③の条件を満たしたら税理士試験に合格することができます。
税理士試験では、5科目の取得が必要になります。
科目合格の制度も存在します。
例年、科目ごとに難易度や合格率が違います。
尚、令和元年の合格率は、
資格 | 合格率 | 学習時間 |
中小企業診断士 | 5.5% | 1500時間以上 |
税理士 | 18.1% | 3000時間以上 |
合格率のみを比較すると診断士試験の方が合格率が低いですが、
学習時間は税理士の方が多く、税理士の方が難易度が高いと言えそうです。
まとめ
中小企業診断士は、経営コンサルタントを行う唯一の国家資格!
資格の取得により高収入を得ているコンサルタントも多数存在!
他の国家資格と比較して難易度が高いが、その価値も高い!
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